日本の仏教は大乗仏教ですから、古来日本人に親しまれてきたお経は、ほとんどが大乗経典です。その大乗経典のうち、とりわけ有名なものを次に紹介しましょう。
『般若経』
大乗仏教の基本哲学であります「空」の思想を述べたものが『般若経』です。けれども、ただ「般若経」とだけ題された単独のお経があるわけではありません。「般若経」というのは、そういう名称をもった数多の経典の総称です。 |
『維摩(ゆいま)経』
大乗仏教は在家信者を中心にした仏教であるが、この経典の主人公である維摩は在家の居士(資産家)です。そして、在家の仏教者がこてんぱんに出家者をやっつける筋書きになっていて、それを通して「空」の思想を説いたのが『維摩経』です。 |
『法華経』
『法華経』といえば、まぎれもなく大乗仏教の代表的な経典です。 |
『華厳(けごん)経』
宇宙の本体としての毘舎那(びるしゃな)仏を説き、一微塵の中に全宇宙が反映し、一瞬のなかに永遠が含まれるという、「一即一切、一切即一」の世界を表明した経典。 |
『浄土三部経』
『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の三つを「浄土三部経」と呼びます。西方・極楽浄土の教主であります阿弥陀仏の本願力による救いを説いたお経で、わが国の浄土宗や浄土真宗においてとりわけ大事にされる経典です。 |
『涅槃(ねはん)経』
原始経典にも『涅槃経』と題されるものがありますが、これは大乗経典の『涅槃経』です。釈尊の入滅について語りながら、肉体的な釈尊の「死」を越えた仏陀の永遠の生命を説くのがこの経の根本テーマです。 |
『大日経』
密教の根本経典の一。人と仏とのかかわりあいを説いています。 |
『理趣経』
密教の極意、即身成仏の究意を示した経典。 |
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