僧侶の法衣の色
法衣の色は、もともとは壊色(えじき)という、何とも表現しようのない汚れた色のものであったのが、中国や日本に渡ってきて儀式用として作られるようになると、装飾的な意味もあって、さまざまな色に染められるようになりました。
しかも、儀式の規模や種類によっても異なった色の衣が用いられるようになると、更に色の種類が増えてきます。 ところが、黒とか白といった特定の色以外の、色衣(しきえ)とよばれる法衣の場合、着る人の僧侶としての階級又は位といったものによっても色が違っています。 すなわち、現在の日本の仏教では、個人の場合は、執行する儀式によって衣の色や種類を変えるし、二人以上の僧侶が同席する場合は、衣の色や種類によって、それぞれ着ている人の僧侶としての位がわかるようになっているわけです。
もっとも、法衣にさまざまな美しい色を用いるのは、必ずしも僧侶側からだけの希望ではないようで、信者たちが、装飾的なきらびやかな法衣を望んだり、自分たちの檀那寺の住職が、より高い位の憎が着ることのできる衣を着て欲しいと願うからでもあるようです。
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