なぜお賽銭を上げるのか
仏教では本来、祈願、祈祷は行わなかったが、密教の発達とともにいろいろな形で「祈り」が取り入れられてきました。今日では、おそらく、浄土真宗を除いてほとんどの宗派が祈願をしています。この御祈願をするお寺につきものが賽銭箱です。ご祈祷に詣でる人はまずお賽銭を上げ鐘を鳴らし、ローソク、お線香を上げてから一心に祈ります。この様子をみて第三者はあたかもお賽銭を、何かの願いごとをするときの先払いの形でお金を捧げるかの如くいいます。しかし、一心に詣でる人はひとにぎいの賽銭に、自分自身、捨て切りの心をたくしているのです。もっともとらわれの多いお金を投ずることによって、少しでもとらわれの心を薄らげ、清浄になり、一心に祈りたいとする気持ちの表れです。したがって、賽銭箱は、所縁の仏様との縁結びの窓口です。
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