仏像の種類
私たちは、お寺の堂のなかに安置されている仏さまから、道端に立たずんでおられるお地蔵さま、或いはおそろしい顔をして、門番をしている仁王さままで、一般に信者の人々から拝まれる対象となっているお像を「仏像」と呼んでいます。
しかし、それらの仏像をよく見ていくと、ずいぶんいろいろな姿をした像があるのに気づきます。実は、私たちが仏像と呼んでいるお像を、仏教の教義から見てゆくと、大きく次の五つに分けられます。
一、如来(仏)像
二、菩薩像
三、明王像
四、天部像
五、その他、祖師像等
如来像は、厳密にいう仏像で、大日如来・釈迦牟尼如来・阿弥陀如来・薬師如来などがよくその名前を耳にする仏さまたちです。
菩薩とは、仏道を求めて修行している者というのが本来の意味ですが、仏さまの徳を象徴したものとか、或いは、仏さまより一段私たちに近い存在でもあるので、仏さまにかわって、教えをひろめたり、願いなどを聞きとどけてくださる方々です。
地蔵菩薩とか観世音菩薩などがもっとも親しまれている菩薩です。
明王の名は、明咒(真言)をとなえて祈ったとき、もっとも効験が大きいほとけという意味ですが、だいたい忿怒の姿をしています。
教化し難い衆生を折伏して救おうとするので、忿怒の相をしていますが如来の化身とされています。不動明王や愛染明王がその代表です。
天部は、仏法を守る神としてあがめられています。元来は仏教以外の神であったものを仏教にとり入れたものが多くを占めており、天界に住むとされているところから「○〇天」と呼ばれています。
帝釈天とか四天王などが代表的だが、吉祥天や弁財天などの天女形や天龍八部衆などのように異様な種類のものなど種々雑多な神さまがいます。
その他、龍樹菩薩や世親菩薩など歴史的実在の人物や各宗の祖師方も“仏像”として崇拝されています。
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