葬儀について

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引導の意昧

引導の意昧

引導は、人を仏の道に引き入れ導くという言莱であるが、後には死者の魂が迷わぬように、仏戒を授けて戒名を与え、さらに出棺または埋葬の直前に導師が法語や香語、一喝、拈払子等の言葉や動作をして、霊が迷界を離れて、仏界に往生・悟入させるという意味に使われるようになりました。お釈迦さまはその人その時にかなったいろいろな法を説かれ、戒めを説かれて(対機説法)迷っている衆生を救われ、仏教に帰依せしめられました。これが生きた引導であって、本来は死著を対象にしたものではありません。

宗旨は異なっても、檀家寺の和尚さんの指導によって、俗人も坐禅をしたり念仏を唱えたりといった修行をすれば、"自己はこれ仏なり"との自覚に達して、生死を超えて日々これ好日の生甲斐ある人生を歩むことができるのです。が、多くの人は生計に追われてなかなか修行することができにくい。それで亡くなった人の霊魂が道に迷わぬようにというので、戒法を授けて心のよりどころを与え、更に尊い、その人にかなった適切な引導法語(一転語ともいう)を棺前で、または埋葬(火葬)する前に墓地等にて亡者に与え、迷界を転じて仏界に引導するのです。

この引導の仕方はそれぞれの宗旨で異なりはあるが、禅宗では、最後に一転語を唱え、「喝!」と言って、火葬の場合は松明(その形をした棒)、土葬の場合は鋤(その形をした小さな木片)を棺に投げて、安心して火中三昧(土中三昧)に入り、成仏せよとさとすのです。