仙臺初めて見る五城楼。
風物凄凄として宿雨収まる。
山色遥に連なる秦樹の晩。
砲聲近く報す漢宮の秋。
疎松影落ちて空壇静かに。
細草春香しうして小洞幽なり。
何ぞ用ひん別に方外を尋ねて去るを。
人間亦ら 自丹邸あり。
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